【ワールドワーク】大きなテーマを目の前に、それでも1歩ふみだしてみる

【ワールドワーク】大きなテーマを目の前に、それでも1歩ふみだしてみる

【開催の想い】

もうすぐ北海道でワールドワークという、
みんなで色々な声を深層民主主義的に耳を傾けていく場を迎えます。

今回の入り口になるテーマは

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「エスニック・ダイバーシティ(民族の多様性)」

〜「それぞれのルーツ、それぞれの声」〜

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私はマルチカルチャーのバックグラウンドがあります。
だからなのか、
日本でセッションやワークショップの場面で
たくさんの多様な民族アイデンティティを持つ人たちと出会いがありました。

今回の北海道でのワールドワークは
さまざまな出会いや出来事と流れの中、
自然なプロセスが始まりました。
起こるべくして起きているタイミングなんだという確信があります。

プロセスワークでは自分個人の意志以上の大きな力やプロセスがあり、
私たちはそれと共に生きているという世界観を大切にします。
自分が意図していなくてもやってくる出来事を歓迎し、
好奇心を持ってそこに出会って向き合っていく。そういうあり方を支持しています。

それにしても、なんて大きなテーマに手をつけてしまったものだ…
と準備をすればするほど実感しています。

特に日本でこのテーマを掘り下げていくことの難しさを感じています。

その繊細さと難しさは何かを言語化すること自体に躊躇してしまうような、
そういう恐れおおい感じとか、緊張感のようなものです。
何かを言うことで誰かを傷つけてしまうのではないだろうか。
自分が知らないが故に、なにか大きな葛藤を生み出してしまうのではないだろうか。

そしてそういう「壁」のように大きく立ちはだかるなにかが、
このテーマがこれまでも表面化し、定着することが難しかった原因の一つなのかもしれません。

まさにこのテーマは日本ではそういう漠然さ、
どこから手をつけたらいいのかわからない難しさを生み出していて、
まずはそこから始めないといけないのかもしれませんね。

このテーマが生み出す様々な感情を共有するところから。

それだけチャレンジングで、大きなテーマなのです。

特に葛藤にたいする抵抗感や恐れ自体が、この国ではとても強い気がしています。
私もこのフィールドにいるのでその影響を多少は受けるわけです。
そこに気づいていくことが自分の中にある日本人と出会い、
理解していく一歩となるのかもしれません。

葛藤や傷つき自体を避けるのではなく、意識を高め、
ゆっくりと丁寧に向き合うことで知ることができる、
気づくことができるチャンスだと捉えていく。

今回は小さな一歩をそうっと踏み出してみようと思っています。
ゆっくりと丁寧にしたい。
でもどこかでえい!と一歩を踏み出したい。
そんな気持ちでこのブログを書いています。
参加する人もそうじゃない人も何か考えるきっかけになれば。

 

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【テーマについて】

みなさんは「民族」や「自分のルーツ」という言葉を聞くとどんなことを思い、感じるのでしょう。

日本にいる人は自分が日本人だと意識したり、
実感することは少ないのではないかなという印象をもちます。
ヨーロッパ大陸やアメリカのような移民によって国が作られたようなところでは
「自分たちのルーツ」や民族性などは常に意識させられる事柄です。
それは誇りでありアイデンティティであり自分の中の重要な要素の一つ。

日本においても多様な民族、多様な国籍やミックスルーツの方々は沢山いますが、
全体的な民族ダイバーシティという視点や認識、
意識においてはまだまだ未分化のように見えます。

私は8歳でスイスに移住し、まだ自我形成段階の真っ只中で全く異なる世界に連れて行かれるという経験をしました。
自分が日本人だという自覚がなかったのは、もちろん当時の年齢もあるかもしれませんが、
日本でそういう意識をする必要のない環境と立場だったからというのもあるでしょう。
日本で民族マイノリティだったとしたら、小さい頃からそれがゆえの特殊な生きづらさや違和感などは感じていたはずですから。

その意識のギャップが色々な問題を複雑にしているようにもみえます。

2020年のオリンピック開催を機に、
民族多様性についての課題意識が少し表面化し、話題性をもちはじめました。
国民の意識、認識も高まったようにみえます。
「外国人からみた日本」というアプローチのテレビ番組がすごく増えているのも、
偶然ではないように思います。

外国人労働者に対する非人道的な労働環境の問題や、
日本生まれの外国籍の2世の子供が親と一緒に強制的に親の国に戻される状況などはニュースにもとりあげられました。もう何世代にもわたり、在日コリアンへのヘイトスピーチや朝鮮学校の存続の難しさなどは一部の人たちにのみ知られている複雑で未解決な社会問題です。

ここに挙げられないくらいの、民族多様性を巡る様々な生きづらさ、苦しみ、痛みなどがあります。

同時に私が小さい頃そうだったように日本で「日本人」として生きていると、
自分が「日本人」だということを意識して生活する必要性は少ないと思います。
それは社会的な特権があり、社会が日本人前提に作られているので違和感を感じないで済むからです。
特権を持っているとそこはないことにできるし、考えなくてすむ立場にいます。
もっと他のことがその人にとっては大切だし、関心ごとなのです。

この認識の違い、その人たちが感じている実感やリアリティのズレについては「ランク概念」がとても役に立ちます。この記事のしたほうに動画をアップしておきますので、関心があるかたはぜひ見てみてください。(過去の記事【ハスの花とランクについて考える夜。】も参考にどうぞ)

でも、それは立場が異なり、特権がない人たち、多様なルーツをもった人たちからすると違った風景と現実をとなります。

それぞれにとって日本とはどのような国、社会なのでしょうか。

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【開催地となるアイヌモリシ(北海道)の地】

今回の会場になる北海道には日本の中でも歴史的に様々な民族が共存しています。

北海道はもともとはアイヌの人たちが住む土地でした。

「北海道」は日本語。アイヌ語では「アイヌモシリ(アィヌモシㇼ/ainu mosir)」といいます。
直訳すれば、「人間の静かな大地」となり、厳密には地名とは言えませんが、「アイヌが住むところ」を意図して使われていた語句です。

明治維新以降、日本は国策として北海道を開拓し、たくさんの人たちが移住しました。
「日本人」になるために、アイヌ語やアイヌの生活スタイルが禁じられ、親から子へ受け継がれていく伝統や文化、そして言葉がどんどん衰退していきました。

同化政策が行われた歴史についての解釈や見え方は、
それぞれの立場によって語られるストーリーは異なり、様々な議論を目にします。

また、歴史的な出来事の中で朝鮮や樺太のほうからもたくさんの人が強制的、
または自主的に北海道のほうに移り住みそのルーツをもった人々が暮らしていることも
忘れてはいけない事柄です。

その人たちが未だに社会的なランクが低く、生活そのものが苦しかったり、
社会生活が大変だったりするというデータもでています。

それに対し国というシステムが行っている「支援制度」に対しても様々な議論が行われています。

先日、アイヌの存在が日本の法律(アイヌ新法)でやっと「先住民」という定義を明確にされました。
しかし法律ができたからといって、
アイヌが過去に奪われた権利や人権は戻るようなものではないといいます。

こういう問題や社会的課題について、知らないということは
知らなくても生活できるという自由と特権をもっているということです。

でも同時に、その苦労がないからこそ、自分のアイデンティティを考えたり、社会のシステムを疑ったり、ルーツについて考える機会がなかったりするのかもしれません。

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【内なる多様性と出会うために】

日本人としても様々なリアリティと感じ方があると思います。
「日本人」とひとくくりにすることは現実的ではありません。
それぞれのルーツがあり、アイデンティティがあり、声があります。
同時に、社会的な立ち位置として共通しているものもあります。

どちらもあることが、自分の中の多様性でもあるのです。

ワールドワークではそれぞれの声を大切にしながらも、
それぞれが抱え、経験している葛藤は個人だけのものではなく
コミュニティや社会の構造とつながっていて
その人だけの個人的な問題ではないかもしれないという捉え方をします。

言葉だけでなく、非言語や雰囲気、声にならない声も大切にしていこうとする場です。
大きなプロセスを大切にしながら、その場に起こってくるシグナルを拾いながら進めていきます。

どうすれば私たちはこの地球という土地の中で自分らしく、自分を大切にしながら、
自分とは異なる人たちと共存していくことができるのかを模索していくアプローチです。

 

自分ともっとも遠い人たちと関係構築ができない。
だから戦争はなくならない。
戦争は遠い国の出来事のように感じる人もいるかもしれませんが、
日本も様々な戦争を経験し、その影響で個人やその家族の歴史も大きく影響を受けています。

ワールドワークを通して私たちは色々な世界を知ることができます。
多様性と出会うことで自分の内なる多様性を発見することもできます。
より豊かに、より広がりを共に育てていきましょう。

そして次の世代に、未来にどういう世界を残していきたいのか。
地球に住む一人として、自分が何者であるのかを確認し、
この大きなテーマについて深め考えていく時間を共に過ごしませんか?

他人事でもなく、義務感でもなく、優等生的な「こうあるべき」論でもなく、
自分のこととして、自分と異なる人の声を聞き、
そして自分の声とも出会えるようなアプローチをご紹介しています。

タイミングを感じた方はぜひ支笏湖でお会いしましょう。

 

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 ❶3月21日(木・祝)
 プロセスワーク入門・1DAY講座

詳細とお申し込みはこちらのリンクから
 https://dayapw1day20190321.peatix.com/

❷ 3月23-24日(土・日)
  ワールドワーク合宿
 エスニック・ダイバーシティ(民族の多様性)
 〜「それぞれのルーツ、それぞれの声」〜

詳細とお申し込みはこちらのリンクから
 https://ethnicdiversity2019.peatix.com/

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【ランク概念についての動画はこちら】

<ランク概念>

続・ランク概念<よくある誤解>